『ロリータ』を見て
この映画は本当に動きが無い
部屋の壁紙のテクスチャー、その他、柱、窓、階段ありとあらゆる物が完全に計算されつくされてる
ありとあらゆる写真での決まり事を用いたのだろうと思う、frame within frameやthird 、対角線、恐らく気付かなかったが黄金比率も使ってるだろうし、キューブリックのフォトジャーナリストかつ芸術家としての経験が活かされている
前景、中景、遠景の奥行き感も出そうと色々な工夫が見られた
自分は構図ばかりに目がいってしまい、画面の世界にのめり込むことはほとんど出来なかった
常に分析、分析としていたからだ
この作品は写真的には素晴らしい
しかし映画は動きのメディアだ(この作品が映画的にダメというわけではない)
白黒だが明暗を使ってうまく出来たシーンもある(簡易ベッド)
インパクトのある場面は勿論あったがそれ以上にやはりのっぺりした感は否めない
これは恐らく構図などは気にせずに見たほうが良い
また何回も見ると味が出てきそうな映画だという予感もある
もやもや感、これがキューブリック作品を見て毎回残るものだ